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特別編「神の祠(ほこら)」

大変ご無沙汰いたしております。目土盛造でございます。
 
世の中はコロナ騒動で大変なことになっておりますが、拙者は「クライアントとはほとんどリモート会議だし、もう本当にやることないので、お客さんもゴルフ場にお招きして対面のお話などしつつ親睦を深めようかのお」というわけで日々ゴルフに精を出しているのでございます。
 
今回のコロナウィルス騒動では、マスコミはひたすら怖さを喧伝し、政治家はその無能ぶりを思う存分発揮する、という「あ、こういったことが有事では行われるのね」という状況が私たちの周りで普通に起こっているのですな。各都道府県のトップの方々はこぞって「こちら方面には来ないでください!」「盆暮れ正月も誰とも会わないでください!」などとおっしゃっているようですが、いかがなものでしょう。県境に壁があるわけでもないこの島国日本で「あんた、それは無理でしょうよ」というのが拙者の思いですな。あ、個人的な愚痴になってしまいましたな。お許しくだされ。
 
そんな折、唯一ゴルフ場は「密にならない。緑の芝生で運動不足解消。友との素敵な時間をゆったり過ごせる。」まさに時代の寵児となっているのでございます。ゴルフフリークの皆様も、日頃奥様には「あなた!またゴルフなの!ったく!」などとお叱りを受けていたものが、「あら、ゴルフ?ストレス解消にもなるし、健康にもいいわね。いってらっしゃい!そうそうお土産も忘れずにね!」などと満面の笑みで、しかも下手をすれば投げキッスで見送っていただいているのではないでしょうか。
 
さてそんな日々を過ごしておりましたところ、久方ぶりにM社長より「盛さん!M田S吾です!どうです、来週なのですが常陽ご一緒しませんか?」というゴリゴリのお誘いをいただき「かしこまりました。ぜひともお供させていただきます」真夏の茨城県に参上いたします。拙者の秘密基地からはおよそ110キロ。日頃から拙者は「運転時間30分、距離としては30キロ以内でないとゴルフになど行かん!」と豪語しておるのですが、この「お待たせしない男」の強引さにはまるで歯が立ちません。車速車線維持装置を存分に駆使しながら、朝から暑すぎる常陽カントリー倶楽部に馳せ参じるのでございました。
 
由緒正しい建築様式で建てられたクラブハウスに到着し、サインを済ませますとすでにレストランでは「ハムエッグの饗宴」が繰り広げられているのでございます。「こいつ朝からよくこんなに食欲旺盛でいられるもんだ。もしかしたら馬鹿じゃないのか」と思いつつ「あ、拙者には温かいコーヒーをいただけますかの」その言葉が終わるか終わらないうちに「コーヒーおかわりいただけますか」朝からすでに完敗でございます。

 

この日ご一緒するのは、登山が大好きという若いイケメンTさんと、リタイア後の素敵な計画をなさっているナイスガイのAさんですな。拙者は本日のキャディさんに「あ、ヘッドスピードが20しかありませんからドライバーで115ヤードです。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」それを聞いたキャディさん「大丈夫ですよ。任せてください」でございましたが、拙者は「これが本当だったら、今日一日とんでもないことになりますぜ。ヘッヘッヘ」と心の中で思うのでございました。
 
「それでは年の順で打っていただきましょうか」M社長の有無を言わせぬ采配で拙者のヘッドスピード20のドライバーがフェアウェイへ着弾で始まりましたな。TさんもAさんも少々ばらけましたが無難な滑り出しでございます。本日のグリーンは、なんと!なんと!コーライの7、5フィート。右へ左へフラフラと揺れながら転がるボールはまさに鬼コーライ。さっそくの3パットにてボギー。しかし年間220ラウンドを誇るタフネス社長のパッティングアジャスト力は凄まじく、簡単にバーディー逃しのパーなのでございます。
 
その後もやれやれのボギーを重ねておりましたところ、14番ホールセカンド地点でTさんの打った2打目がシャンク!だいぶ離れたラフにいたAさんの左足に2バウンドで当たるアクシデント!「大丈夫ですか!?申し訳ありません!」素早く駆け寄ったTさんに「大丈夫ですよ!こんなの以前の骨折に比べたらなんてことありません!」とAさん。「いやいや、これは冷やしたほうがいい!ちょうどそこが売店ですから氷をもらいましょう」ここでもお待たせしませんのM社長が炸裂ですな。幸い大事には至らず「よかった。本当によかった」で済みましたが「明日は我が身」。やはりプレーヤーひとりひとりが十分すぎるほどの注意を払って打球事故を予防することが大切であることを再確認させてくださいました。

 

そんなアクシデントもありましたがラウンドは順調に進み、迎えた17番ホール。拙者のサードショットは左へのミス。ピンまで残り40ヤードほどのアプローチが残ります。しかし!目の前には5メートルほどの巨大刈り込み樹木が完璧なスタイミーにて立ちはだかります。「う〜ん、下を通せば乗るには乗るが長いパットが残るな。よっしゃ!ここは上!この木の真上からズッドーンでベタピンだ!」木の後方8ヤード、上空8ヤードでミッション完了!ロブショット風に打ち出されたボールは「シュバッ!カツン!ポコッ、ポコッ、コロコロ、カラーン」5メートルの木の先端に当たり、空洞になっている木の幹をポコポコと抜け、最終の到着地点は木にぽっかりと空いた祠の中でございました。しかも飾ったかのようにど真ん中(爆笑&合掌&写真参照!)。呆然とする拙者を尻目に「パシャッ!パシャッ!」脱兎のごとく鬼の形相で走ってきたM社長の文春砲が大炸裂でございます。「盛さん、今回は書いてもらいますよ」仕上げの恫喝も超一流でございます。
 
無論のこと、ここでアンプレアブル。怒涛のダブルパーの完成と相成りましたことご報告いたしておきます。ただその木の祠(ほこら)に鎮座したボールの前に立った拙者に、木の神様が「盛造とやら、そなたがこの祠に入れたボールは金のボール?それとも銀のボール?どちらかな?」とお聞きくださるので「神様、拙者の入れたボールは金でも銀でもなく、色あせた白のボールでございます」「盛造とやら、そなたのその正直な心に免じて何か褒美をつかわそう。何なりと申してみなさい」「では、私のその煤けたボールを新品の1ダースにしてください。アーメン」「ばかもの〜!新品だけは許さん〜!」その後最終9番ホールまでボールは煤けたまんまでございました。やはり「アーメン」がいけなかったのでしょうか。
 
皆様方、いつの日か常陽カントリー倶楽部に行かれましたら是非とも17番ホール左側にある古木の祠を覗いてごらんなさい。神様の声がお聞きになれるかもしれませんぞ!
 
しかしこの暑い一日、ご一緒いただいたTさん、Aさん、本当にありがとうございました。コロナ騒動が収まりましたら、いや収まらなくても、またご一緒してくださいませね。
しかし信吾ちゃん、あんたタフすぎるよ!こんな暑さの中毎日16連荘とか・・・もうすでに神の領域ですな。そうそう帰りのフロントで「目土様、M社長のお友達でいらっしゃいますか?M社長は加賀百万石の末裔の方なのですか?」と鋭いご質問を受けたので「詳細はわかりかねますが、加賀百万石と同様の名字は道で拾ったと聞きおよぶに至っております。過大評価は禁物ですぞ」と伝えておきました!わはは!
 
まだまだ暑く、ウイルスは当然ながら熱中症などにも十分注意をしながら楽しいゴルフライフをお送りくださいますよう。皆様のますますの健康と活躍をお祈りして、今回の締めといたします。またいつか駄文にお付き合いくださいますようお願いいたします。