ゴルフライフ>まこっちゃんのゴルフの本棚>「楽園の不運な紳士たち」 ロバート・アプトン著ミステリアスプレス文庫
「数字」にコダワリってありますか?
私は、朝フロントで渡されるロッカー番号で、その日の気分が違います。「36」とか、「72」とか、ゴルファーなら、気分がいいものです。「85」なんていうのも、「うむ。今日は、確実に85を目指そう。」なんていう気になりますよね。嫌なのは、「104」とか、「49」とか。このあたりの番号が渡されると、「お前は、どうせ、このくらいのスコアだろ。」って言われているような気がします。
ところで、目土のおじさまから、思いもかけぬ「頑張れ!まこっちゃん!?」という激励をいただきました。「爽やかな新風」。いやいや、滅相もございません。と謙遜しながらも、にやけておりますと、「この"まこっちゃん"なるご仁、なかなかに更新の早い"できるお方"とお見受けいたしましたな。」を目にした瞬間、どこかでパタリと扉が閉じられた音がしました。
そう、そこそこ調子のいいラウンドをしていた時に、ベテランの同伴競技者が、「いやぁ、あなたのドライバーショットは、右ひざの送りが、絶妙だよねぇ。自分も、そーゆう右ひざの送りをしたいんだけど、なかなかできないんだよなぁ。どうやってやるの?」とささやかれた時と、同じ感覚です。
「右ひざの送り?」そんなの気にしたこともないんですけど?
しかし、この一言のささやきで、次のショットから、右ひざが気になってしかたありません。いままでのリズムはどこかにいってしまい、スイングの途中で、「右ひざ」が頭をよぎります。おかげで、軸がぶれて、弩スライス。ティーショットは、行くはずの無いOBゾーンのはるか上空に消えて行くのです。
その瞬間に、どこかでパタリと扉が閉じられた音がします。
そうです。目土のおじさまに"なかなかに更新の早い"と書かれた瞬間、「あれ?俺って更新早いのかな?」と思ってしまったのです。
しかも、「これで徐々にブラッシュアップしていかれれば『ンフフ!拙者の出番もそろそろ終了じゃ。』」と、かぶせておられます。これは、ひょっとすると、「おい、若けぇの。おめぇさんは、知らないだろうけど、このコラム書くのって、結構、面倒くさいんだよね。まぁ、月に一回くらいの更新で、拙者もBUNちゃんも芝先案内人さんも、ペースをあわせて書いてるわけよ。それを、おめぇさんみたいな新参者が、良い気になって、バンバカ更新すると、加賀屋あらため越後屋と化した前田信吾が、『盛さん、私、盛さんが大好きなんです。だから、月に2回は、盛さんの文章が読みたいんです。いえいえ、まこっちゃんと同じくらいの更新スピードで私は満足ですから。なにより私、盛さんが大好きなんです。これからもずっとお付き合いくださいね。』なんて、言い出しかねないじゃねぇか。」という本音を優しくオブラートに包んだ言い方なのではないでしょうか?
ぴたりと私の筆(実際はキーボードですけどね)が、止まってしまいました。
どうしましょう。4巻でおしまい。やっぱり、4は死に通じるんですね。
そういえば、アガサ・クリスティ著「ゴルフ場殺人事件」は死を扱うんだから、第4巻にとっておけばよかった。調子に乗って、第3巻で使ってしまって、第4巻で殺人事件を取り上げづらくなってしまった。「ゴルフの本棚」でいきなり連続でミステリーを取り上げるのも芸がない。かといって、4が死に通じる。と思ってしまった以上、他の本を取り上げるのも不吉だし。あー、どうしよう。
と、言うことで、今回は、ちゃんと営業中のゴルフ場で殺人事件が起きるミステリー「楽園の不運な紳士たち」を本棚に並べます。カリブ海のリゾートのゴルフ場で起きた殺人事件を、ゴルフ好きな探偵が解決する。っていうお話です。もちろん、死体はバンカーで発見されます。
作品の冒頭には、「この本を、あらゆるハッカーやフッカー、スライサー、シャンカー、イッパー、ウィッファー、スクルァッファー、マッファー、フラバー、スクラッファー、ダバー、チリディッパーたちに」とあります。きっと、皆さんは、上のどれかに該当するはずです。プロゴルファーやトップアマには、奉げられていませんが、これを読んでいるゴルフライフを満喫されている方々は、必ず上のどれかひとつ、あるいは、複数に当てはまる方たちでしょう。(「チリディッパー」って、チリソースに何かを浸して(ディップ)食べる人なんですが、ゴルフ用語なんでしょうか?「なんでも、チリに浸す。」ということから、「池があると必ず入れる」人を指すんでしょうか?)
前回、取り上げたアガサ・クリスティの「ゴルフ場殺人事件」は、特段ゴルフに関係の無いストーリーですが、この本は、ゴルフが盛沢山です。ゴルフが好きで、探偵小説が好きな人は、読んでもいいかもしれません。もっとも、これも読んでもゴルフは上手くならないと思います。
私は、ゴルフが好きで、ミステリーが好きなのですが、この本は、シャーロック・ホームズシリーズの「まだらの紐」(コナン・ドイル著)という作品と同じ理由で、好きではありません。なので、不吉な第4巻は、この本で決まり。
あれ?いつの間にか、目土のおじさまのささやきを忘れてしまいました。
何かにこだわって、崩れた時は、そのこととは、別のコダワリを持ってくることで、意外と克服できるものです。ベテランゴルファーのささやきの罠に対抗する時に、是非、お使いください。ついでに、罠を仕掛けてきたベテランゴルファーが池にボールを落とした時は、心の中で、「このチリディッパー野郎!」と思いながら、にっこり笑って、「あらら、モリさん(仮名)珍しい。こんなことがあるんですね。」と言いましょう。
追伸 KSさん励ましありがとうございます。近々、夏坂健さん本取り上げます。